看護師で培った経験を、新薬開発に活かせないかと考えている人がいるかもしれません。もし看護師が新薬開発に関わるとしたら、それは治験の段階になるでしょう。治験では対象となる薬剤を人に投与して、その有効性と安全性を確かめます。治験で良好な結果を示せた薬だけが国の審査を受けることができ、そこで承認されれば新薬として世に出ることができるのです。そのため、治験は新薬開発で非常に重要なステップであります。治験に関わるということは責任重大なことですが、新薬として認められれば得られる達成感は非常に大きいでしょう。では看護師が治験業務に関わるとしたら、どのような仕事があるのかが気になります。大きく3つの仕事がありますが、その1つとして治験コーディネーターが挙げられます。治験コーディネーターは医療機関の立場で、患者・医師・製薬会社の調整役を担う仕事です。円滑に治験を進めるためにも、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力が必要となります。続いては臨床開発モニターの仕事です。臨床開発モニターは製薬企業の立場で、治験のモニタリングを実施します。治験が実施基準や計画書に基づいて行われているか監視しなければなりません。計画書から逸脱しないようにするためには、関係者との連絡を密にしてコミュニケーションを取りながら進めていく必要があります。さらにデータマネジメントと呼ばれる業務もあります。これは薬の効果を統計的に検証できる状態にするために、データのスクリーニングを行う仕事です。データには臨床検査値もあり、臨床現場で活躍した看護師の経験が必要です。看護師として治験業務に興味があるのであれば、新薬開発に関する情報の確認はしておきましょう。